『ぷらむちっく』



縁側で貴方と庭先の梅を眺めてた。
ウチの着物の肌触りがいいのか、膝の上で貴方はまどろむ。
何の気なしでそういうことをしてしまうけど、貴方がいるのは特等席。
そういうことに気づかない人だから仕方ない。
貴方の横顔をそっとなでてみる。
貴方は本当に優しい人。
優しいから人の過ちや驕りを許せず、自分自身を愛せない。
貴方が自分だけに優しい人なら良かったのに。
そうすれば、人の過ちや驕りをなぁなぁで許し、自分自身を愛せたのに。
相槌を打つのも、もっとうまくなったろうね。
お茶を濁すのも、もっとうまくなったろうね。
曖昧に溺れるのが好きになれたろうに。
貴方は梅のように真っ白で気高くて……。
思わず、溜息一つ。
「ウチの婿になれ言うたら笑うかな……」
少し強気で攻めてみようか。
『目標、脱幼馴染』というのは少女チックすぎるかもしれない。
貴方の頬に落ちた梅の花弁を眺めながら、そんなことを思った。
もう少し、ウチの側でうたかたに溺れててください。

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