『携帯』

放課後、私は夜のネオン街を歩いていた。
学校帰りの制服のままだから少し浮いてる。
ふと、マナーモードにしてあった携帯が振動する。
何件か留守メッセージがたまっていた。
再生ボタンを押し聞いてみる。
プー、という機械音の後メッセージが再生される。
「由香……俺だよ……健二だよ……。へへ。刺されちゃった……。」
私の足が止まった。
「いてぇ……俺もう……ダメだ……。ご、ごめんな……。」
メッセージがそこで切れる。続けて再生する。
「有紀だよ……あいつ…俺が浮気してるのに気づいて……。次はお前かも……。
逃げて……。」
健二……私の瞳から涙がこぼれた。
健二……。
最後のメッセージを再生する。
「ごめん……。有紀はお前の親友だったのに……。俺……こんなことに………なったけど……由香……お前のこと好きだ……た…。」
私も健二のこと好きだったよ……。
メッセージはそこでとぎれた。
健二……。
馬鹿な男。
最後の電話を由香と間違えるなんて。
「ああ、由香?私、有紀。今すぐ会える?」

 

end

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